平成28年10月6日 木曜カンファレンス

2016年10月12日 BLOG
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10月6日の木曜カンファレンスは、NSAIDsの新規内服が心不全を増やすか? という論文を読みました。

Non-steroidal anti-inflammatory drugs and risk of heart failure in four European countries: nested case-control study.
Bmj 2016;:i4857. doi:10.1136/bmj.i4857

http://www.bmj.com/content/354/bmj.i4857

最近、COX 2選択的阻害薬だけでなく従来のNSAIDも心不全を増加させるということが、メタ解析で分かってきた。しかし従来のNSAIDについては個々のリスクや、その用量反応関係などについては依然不明な点が多いため、今回このスタディが行われた。

蘭、伊、独、英の4カ国のヘルスケアデータベースを使った大規模なコホート内対照研究でNSAIDsの新規内服が心不全を増やすかについて検討。

< PICO >
Outcome NSAIDsを使うと心不全になり入院治療が増えるのか?
Patient 2000年から2010年までにNSAIDsで治療を受けた7,680,181例をコホートに登録し、その後、心不全で入院することとなった18歳以上の92,163例(コントロール8,246,403例はリスクセットサンプリング、心不全1症例に対して100例が割り当てた。)
I/C NSAIDsを新規に内服することは、内服しないことに比べて

<結果>
メタアナリティック・アプローチが行われ、
いかなるNSAIDsの14日以内の新規内服も過去の内服と比べて、心不全発症リスクを24% 増加させる。(OR 1.24 95%CI 1.12-1.36)
ケトロラク (OR 1.83 95%CI 1.66-2.07, 本邦 未)
エトリコキシブ(OR 1.51 95%CI 1.41-1.62, 本邦 未)
インドメタシン(OR 1.51 95%CI 1.33-1.71, インダシン®、インテバン®
ロフェコキシブ(OR 1.36 95%CI 1.28-1.44, 本邦 未)
ピロキシカム(OR 1.27 95%CI 1.19-1.35, バキソ®
ジクロフェナク(OR 1.19 95%CI 1.15-1.24, ボルタレン®
ニメスリド(OR 1.18 95%CI 1.14-1.23, 本邦 未)
イブプロフェン(OR 1.18 95%CI 1.12-1.23, ブルフェン®
ナプロキセン(OR 1.16 95%CI 1.07-1.27, ナイキサン®)が統計学的有意に心不全を増加させるという結果となった。

一方で、COX 2選択性のセレコキシブは意外にも OR 0.96 95%CI 0.90-1.02 と、どちらとも言えない結果であった。
論文では各々の薬剤の用量反応関係についても検討されており、用量依存性に心不全が増える傾向が示された。

最後までお付き合い頂きありがとございました。

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