腎盂腎炎のマネジメント

2017年4月11日 BLOG, 原田 拓
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腎盂腎炎のマネジメント

Diagnosis and treatment of acute pyelonephritis in women.
Am Fam Physician. 2011;84(5):519-26.
分野:救急外来


腎盂腎炎の原因菌 1)
大腸菌:男性が73%,女性の82%
クレブシエラ:男性の2.7%,女性の6.2%

腎盂腎炎の合併症
合併症には腎膿瘍や気腫性腎盂腎炎がある2)
合併症は構造や機能に異常があるか素因がある人に発生する
高齢女性でDMがあると生じやすい

臨床診断
・38℃以上の発熱は早期や軽症ではないこともある。高齢者や免疫不全の症例でも同様。
・脊椎の圧痛は通常は存在しない
・臨床症状
– 上部尿路症状(疝痛や側腹部痛), 下部尿路症状(頻尿,切迫尿,排尿時不快感), 全身症状(発熱や悪感), 消化器症状(嘔気,嘔吐,食思不振)
・身体診察
– 38℃以上の発熱, CVA叩打痛,時折腹部や恥骨上の圧痛があることも

緊急泌尿器コンサルトの必要がある状態
・尿路の閉塞がある
・気腫性腎盂腎炎
・腎臓や腎周囲膿瘍

Disposition 外来か入院か? 3)
・合併症がなければほとんどは外来で管理可能
・下記があれば入院もしくは精査が必要
-併存疾患がある(腎機能障害,尿路の異常,DM,肝疾患,心疾患), 血行動態が不安定, 男性, 妊婦, 代謝性の問題(腎障害やアシドーシス), 重度の疝痛や側腹部痛, 重症そうな雰囲気, 経口摂取できない, 39.4℃以上

臨床症状が腎盂腎炎と紛らわしい疾患
・虫垂炎,憩室炎
・膵炎
・PID
・腹腔内膿瘍
・腎梗塞/出血/膿瘍

尿培養に関して
・カテーテルでも中間尿でも差はない4), 5)
・非合併症症例の95%で10の5乗以上の単一のGNRがみられる 6)
・G染色してGPCだった場合は腐性ブドウ球菌(S.saprophyticus)か腸球菌
・治療後、症状がなければ尿培養は不要
・治療を開始し2-3日経過しても症状改善ない場合か2w以内に再発した場合は再度尿培養(+画像検査)をする

血液培養に関して
・合併症のない症例ではルーチンでは必要ではないかもしれない7), 8) しかし別の疾患(腹腔内膿瘍や胆管炎)に対しても有用。
・15-30%で陽性になる。高齢者や合併症がある症例ではより陽性になりやすい。
・血液培養陽性症例と陰性症例で薬剤,投与経路,治療期間,入院するしない,入院期間を変えなくてはいけないというエビデンスはない

画像検査
・急性腎盂腎炎は症状が改善しないか再発しない限り画像検査は必要ない 9)
・画像検査の目的は尿管結石や膿瘍による閉塞や解剖の異常をさがすことにある
・腎盂腎炎+AKIの場合は尿路閉塞を探すためにCTをしてもよいかもしれない 10)
・抗菌薬投与して48-72hたっても改善なければ造影CTなど精査をしましょう

Referance